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10月, 2024の投稿を表示しています

ワシントンDC駐在記その5

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   こんにちは、渡辺です。今回が最後の投稿になります。 DC 駐在の締めくくりとして、 Greenblum & Bernstein, P.L.C. ( G&B )の 2024 セミナーに参加しました。  ご存じの方も多いかと思いますが、 G&B は長年にわたり米国実務の集中セミナーを主催しています。毎年内容を見直しているそうで、今年は、ホテルを浴槽付きの Westin Heights に変更し、研修の最後に弁護士との個別相談を設けたことが新たな特徴でした。  講義は模擬法廷の部屋で、 8 日間にわたり、 1 日あたり 5 ~ 5.5 時間(午前・午後それぞれ 2.5 ~ 3 時間)行われました。内容は米国特許法の基本から最新の判例やトレンドまで幅広くカバーされており、受講者のレベルに応じて浅くも深くも学べるものでした。すべての講義は英語で行われましたが、講師の弁護士は必要に応じてゆっくり話してくださり、気軽に質問もできたので心配は不要でした。受講者は全部で 15 名で、企業から 9 名、事務所から 6 名が参加していました。性別や年齢を問わず和気あいあいとした雰囲気で、とても良い環境でした。8日間にわたって体系的に米国実務を勉強できてとても贅沢な時間でした。一番印象的なのは、技術分野別のbreakout sessionで、化学・バイオ系は3人しかおらず、疑問に思うことから実務のアドバイスまで気軽に幅広く質問・議論させていただくことができました。  ランチは、 ランチボックスなどが用意されており、 2~3個の会議室に分けて講師の弁護士を囲んでいただきました。ディナーは弁護士の車に分乗して毎日違うレストランに連れて行っていただきました。ディナーは初日はフォーマルなレストランでしたが、他はカジュアルなもので、バッファローウィングス(辛い手羽)やボウリング場での飲食付きのボウリング大会、ラーメン、寿司、ステーキなどバラエティー豊かでどれも美味しかったです。  また、コーヒータイムにはコーヒーのほか、各種お菓子や果物も用意されていて、買い物に行けなくても困ることはありませんでした。所長の Bruce Bernstein 弁護士はニューヨーク出身でベーグルにこだわりがあり、美味しいベーグルをふるまってくださったこともありました。...

ワシントンDC駐在記その4

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   こんにちは、実は先週DC駐在から帰国しました渡辺です。少し余裕ができましたので、駐在中のことを振り返って記録しておきたいと思います。  駐在期間は、7月~9月の約3か月間で、日本では猛暑のようでしたが、DCでも例年になく蒸し暑かったそうです。それでも東京に比べたら過ごしやすかったと思います。晴れた日が多くて、日差しも強く、そのうえ短期間で様々の体験をさせていただきましたので、振り返ってみればなんだか濃縮されたとても眩しい日々でした。  印象に残ったこととして、到着して早々独立記念日のパレードと夜の花火を鑑賞しました。その後、NATO 首脳会合があり、交通規制で駐在する事務所のオフィスが数日閉鎖しました。なかなかレアな体験でした。  駐在中は、現地事務所とリアルケースでのディスカッションを通じて、米国実務の勉強をさせていただきました。また、各事務所や JETRO ニューヨークオフィスなどが主催する各種セミナーに参加し、最新の判例や話題に触れ、レセプションなどでいろいろな方と交流できました。  また、 USPTO や CAFC への訪問は必須のように思い、当然のように機会を作って訪れました。さらに、予定になかった最高裁にも行ってきました。今回はこのことについて少しお話ししたいと思います。  まず、 USPTO は、実は2回訪問しました。また、 USPTO の近くの事務所訪問で遠くから眺めることもありました。三角な屋根が特徴の USPTO のビル( Madison Building )は、実は USPTO ビル群の一つで、その両側や手前にさらに6つのビルもあるのです。さすが3000名超の審査官を擁するだけあって、規模の大きさに圧倒されてしまいます。しかしながら、審査官のリモートワークが進み、オフィスには人が少なく、一部のビルの契約を解除する(解除した?)ようです。これもまたちょっと寂しいです。  一回目は、当事者系レビュー( IPR )の Oral Hearing の傍聴でした。 USPTO の HP から Hearing のスケジュールを確認し、対面でUSPTOで行われていて、かつ、公開のものを見つけて行きました。政府機関なので、セキュリティーチェックがあります。パスポートを提示し、空港並みのセキュリティーチェックを受け、入館証を受...