ワシントンDC駐在レポート③
米国駐在中の松本良太です。
DC駐在後半の様子をお伝えいたします。
■米国連邦巡回控訴裁判所(CAFC)による意匠判決
米国連邦巡回控訴裁判所外観
・米国連邦巡回控訴裁判所(Court of Appeals for the Federal Circuit (CAFC))は、5/21(火)、LKQ Corp. vs. GM事件において、意匠(Design Patent)の非自明性(non-obviousness)を評価するために長年採用されてきた判断基準(Rosen-Durling test)を覆し、その判断基準が"improperly rigid"(不適切に厳格)であると判断しました。
その上で、2007年のKSR Int’l Co. v. Teleflex Inc.最高裁判決を踏まえ、特許(Utility Patent)の非自明性に係る判断基準(Graham factors)を意匠にも適用すべきであるとしました。
その上で、2007年のKSR Int’l Co. v. Teleflex Inc.最高裁判決を踏まえ、特許(Utility Patent)の非自明性に係る判断基準(Graham factors)を意匠にも適用すべきであるとしました。
LKQ事件の判決文は下記のURLにて公開されています。
・この判決を受けて、USPTOは翌5/22(水)付で新たなGuidance and Examination Instructionsを提供しました。新ガイダンスは下記URLにて公開されています。
・新ガイダンスのもとでは、より緩やかな判断基準に基づいて非自明性が審査されるため、この変更が米国意匠実務に与える影響は少なくないと思われます。
この判決が出た際、私は折よく米国(DC)駐在中であったため、この判決について米国弁護士と直接議論する貴重な機会に恵まれました。
米国弁護士の見解も交えて情報を整理しましたので、当該記事については近日発行される季刊創英ヴォイス(Vol.100)に掲載予定です。
■各種研修及び事務所訪問
・DC駐在中は、法律事務所や公的機関で開催される各種研修やセミナーに積極的に参加し、米国特許法の研鑽に励みました。また、研修後に開催されるレセプションをとおして、現地の関係者はもちろんのこと、日本企業等から派遣されたトレーニーや駐在員との交流も深めることができました。
・また、多くの法律事務所を訪問の上、米国弁護士らとのディスカッションや会食等をとおして親睦を深めるとともに、連携強化に努めました。
■DCの街の様子
・DCの中心地には、美術館や博物館が点在し、その多くが無料で公開されています。
中でも、国立肖像画美術館(National Portrait Gallery)は、歴代のアメリカ大統領の他、歴史上の人物や俳優等の肖像画が数多く展示されており、魅力的なアートスポットとして知られています。
(スミソニアン・アメリカン・アート・ミュージアム(Smithsonian Museum of American Art)が併設されています。)
ちなみに、この国立肖像画美術館の建物は、USPTO(米国特許商標庁)の旧庁舎とのことです。
・また、DCに来て最初に驚いたのは、野生のリス(squirrel)がたくさんいることでした。日本ではあまり見かけない大きめサイズの愛らしいリスを、公園(ホワイトハウスの敷地内にも!)や街路樹でしばしば目にすることができます。
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