米国駐在ブログ①西海岸への滞在
初めまして、日本弁理士の高木太尊と申します。博士新卒として創英に入所し、4年目に入りました。専門は薬・食品・バイオ系の特許です。前任者である為近から半年ほど期間が空きましたが、3ヶ月弱の日程で米国駐在させて頂くことになりました。このブログでは、米国駐在の様子や、米国で生活する中で私が感じたことを赤裸々に綴っていきますので、ぜひご笑覧いただけますと幸いです。
まず、私の名前ですが、「たかぎたける」と読みます。「たける」の部分はそもそも日本語でも難読であり、また海外の方にとって「たける」は発音しづらいこともあり、米国駐在中は”Please call me Tyson!”と名乗ることも多いです。なお、弊所の何割かの方にも、(特に名乗った覚えはないのですが)「タイソンくん」と呼ばれています。”Tyson”と名乗る/呼ばれるようになってから、プロボクサーであるマイクタイソンについて勉強しました。アメリカの方に名乗ると、結構な確率で「マイクタイソンのタイソンだね!」と言われるので、それに対して「ゴージャスなネックレスの代わりにネクタイを締めてます!」や「彼はThe Baddest manと呼ばれていたけど、僕は真逆のThe Goodest
Manです。」などと返すと、笑って頂けることが多いです。
私は今回、ゴールデンウィーク明けの5/7から、7/27までの約3ヶ月という予定で米国に駐在させて頂いています。過去の駐在者の方と異なる少しユニークな点として、最初の3週間は、西海岸を転々としていました。その後、5/28に東海岸に移動してきて、現在はワシントンDCに拠点を構えております。
西海岸にいる間には、シアトル、サンディエゴ、アーバイン、ロサンゼルス、サンフランシスコという5つの土地を訪れました。これらのうち、ロサンゼルスとサンフランシスコはただの旅行で、アーバインは事務所訪問のための滞在です。残りの2箇所に滞在した目的について、以下にご紹介します。
シアトルでは、創英の米国拠点のうちの一つ”SHIPWAY IP”に10日ほど滞在しました。
SHIPWAY IPは、弊所が日本代理人に加えて米国代理人としてお客様の知財業務をサポートさせて頂くサービス”SHIP”の核となっている拠点であり、米国特許弁護士であるカークパトリック ブライアン弁護士を中心として、米国における権利化のお手伝いやopinion workを行っています。
私個人は、残念ながらSHIPへの直接的な関与はありません。それでは、SHIPWAY IPに滞在して何をしていたのかというと、①将来的に関与する可能性があるのでSHIPについての研修を受ける、②SHIPでの弊所のナレッジを元に米国特許実務について学ぶ、③SHIPWAY IPのメンバーと親睦を深める、の3つです。①についてはイメージしやすいかと思いますので、説明を省略させて頂きます。
②について、SHIPでは、これまで弊所が数十年に渡って経験してきた米国での「権利化戦略を検討する」部分に加えて、米国代理人として、実際に米国特許商標庁に対して「法的手続きを行う」部分を担っています。そのため、これまでは実体的な事項について検討していれば良かったのに対して、SHIPでは方式的な事項もカバーすることが必要になります。そして、それには当然、これまでであれば米国代理人に任せていた提出書類の準備や庁通知の詳細なレビューが伴ってきます。そこで私は、実際にSHIPにおいてこれらの業務を担っている方に、提出書類の準備や庁通知のレビューにおいて慎重に確認しなければならない箇所のレクチャーを受けました。これによって、SHIP以外の米国出願においても、米国代理人から受領した手続き完了報告を、的確かつ明確にチェックできるようになったものと考えています。
③として、現在SHIPWAY IPには、カークパトリック ブライアン米国特許弁護士に加えて、西本博之日本弁理士・米国パテントエージェントと、江守英太日本弁理士・米国パテントエージェントを加えた計3名の創英メンバーがいます。今回の滞在は、彼らと直接顔を合わせて親睦を深める貴重な機会でもあり、弊所の所員間交流促進補助制度「夜の交流会制度」のアメリカ版を活用して食事をとりながら歓談したり、シアトルマリナーズの試合を観戦したりなどして親睦を深めました。海外拠点にいるメンバーとはなかなか膝を突き合わせて話す機会が多くないですが、今回のような機会を通じて、平素の業務の中でも国の境を超えてより緊密な連携が取りやすくなりました。
サンディエゴでは、5/17〜21の日程で開催されました、International Trademark Association、通称INTAのAnnual Meetingに参加致しました。主に商標実務家を対象とした国際会議ではありますが、参加者の3〜5割ほどは特許実務家のようです。INTAでは、日中は主にミーティングを行い、夕方〜夜にかけては主に各国事務所が主催するレセプションに参加しました。ミーティングの目的は、すでにビジネス上の関係がある海外代理人との情報交換、これまでに付き合いがない海外代理人との初顔合わせ、外内営業など様々です。レセプションは主にネットワーク構築を目的としており、事務所によって、かしこまった立食パーティーのようだったり、リゾートのような雰囲気だったり、はたまたナイトクラブを貸し切っていたりと、多種多様で大変興味深かったです。
また私は今回、トレーニング枠という形で、国際会議に初参加させて頂きました。国際会議では、一般的には、長年の経験を積んだ40代又は50代(あるいはそれ以上)のいわゆるパートナークラスの方が参加者の中心になります。これに対し、創英では、もちろん相応の実務力・英語力とやる気があることが前提になりますが、30代前半〜中盤の若手であっても、国際会議に参加するチャンスがあります。私にとって今回のINTA参加は、もちろんネットワーク構築という観点もそうですが、それ以上に、普段自分が携わっている海外関係のビジネスがどのように生まれ、どのように改善されていっているか、ということを理解する上で大変良い経験になりました。
本当は各地での移動手段等について感じたことについてもお伝えしたかったのですが、文章が少し長くなってしまったので、次回の投稿に回させて頂こうと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。ありがたいことに大変忙しく過ごさせて頂いていますが、可能な限りブログを更新してまいりますので、またご覧いただけましたら幸いです。
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